修理屋物語 エピソード8 出会いと別れ

徐々に仲間は増えていった。

特に
「やまねこ」と言う
女ウィザードが加入してから
彼の知り合いで
ティロリィロ帝国血盟初の
リアル女性も加入し始めた。

ふたりとも女ウィザードで
WizerdRinkaときききりんだ。

まだカノープスサーバー自体の
歴史が浅いので
リネージュ中心で生活している人を除けば
それほどレベルの差は無かった。

そのせいもあり
みんな、やわらかなライバル意識の中で
少しずつ少しずつだけど
レベルを上げていった。

僕にとっての最大のライバルは
Hyakuだった。

大きな差ではないけれど
いつまでたっても追いつけない
たまにふらっとクランを抜けて
戦争に行ってのEND報告を聞いたりして

それでも
いつまでも追いつけなかった。



ある日。
血盟主であるクシが変な事を言い出した。

「キャラクターを作り直したい」と。

彼は加入当時に見られた威厳などはなく
どこか変で
でもなんかかわいい弟分の様な感じだった。

みんなでクラハンとか行ったりしていたが
やっぱりプリンスは弱い。
本当に経験地を得るのが大変なのだ。

それを少しでも軽減する為に
STRプリにしたいと言い出したのだ。

もう既にそれなりのレベルになっていた。
それでも
作り変えたいと言う。

みんなで簡単な相談をした上で
血盟再編
そして作り直したプリンスの
レベル上げの手伝い

すべてをみんなでやろうと
解散を了承した。

「それじゃ作り直してくる」

数分後。
話せる島に真っ白な名前をした
「クシ」が現れた。

ひとまず一気にレベルを上げ
血盟創設可能にさせ
シルバーナイト村の南出口に
全員で集合した。

新しい血盟の創設である。
しかし困った事が起きた。

そう。
血盟名である。

正直言って
「ティロリィロ帝国」は
評判が非常に悪かった。

みんなで血盟名を考えた。
しかし
ただ格好付ければ良い訳ではなく。
かと言って
全然意味がないもので良くない。

その時ふと
みちま二号の着けている称号が目に入った。

このサーバーが出来てから
それなりの時間が経っていた。
それなりの時間を狩りに費やした。
それなりのアデナを使い装備を整えた。

でも
僕たちはいつも初心の気持ちを忘れたくない。

いや
初心者のふりをして高レベルになってしまおう。


なんでも良かった。
ただ何となく
そのフレーズが気に入っただけのなのかもしれない。

「ちょ〜初心者血盟」

クシを君主にした
新しい血盟が創設された瞬間だった。



新たに作られたこの血盟は
特に大きくなる訳でもなかったが
みんなで楽しく狩りをしたり
特にトラブルを起こす事も無く
本当に順調に
リネージュと言うゲームを楽しんでいた。


クラハンで
かろうじてDVCに潜れる様になった頃。

ライバルのHyakuが急な話をし出した。
それはリアルの都合だった。

「引退する」と。

引退と言う言葉を聞いたのは初めてではない。
けれど
自分の知ってる人間が
身内が引退するのは初めての経験だった。

ショックでもあるし
寂しくもある。
顔が見えている訳ではないけれど
今まで当たり前の様にチャット欄に流れていた名前が
明日からはまったく見る事が出来ないんだ。

それはリアルで友人が
突然消えてしまうのと
同じ程のショックだった。


僕たちはひとつの判断をした。
最後に
Hyakuを連れて
あまり行かれない場所に行こう。

DVC深層まで降りていく事にした。
まだみんなのレベルは30台だ。

もちろん単騎では滞在出来ない。
でも
みんなで力を合わせれば
きっと最下層まで降りられるハズだ。

意外にも難しくは無かった。
ナイト3人、ウィザード3人
プリが友人含めて2人。

これだけの人数なら
サキュバスでも
サキュバスクィーンでも
それほど苦ではない。

そして
Hyakuとの思い出をしまう場所を
本来なら地竜アンタラスのいる
7Fを選んだ。


リアルでは年下なんだけど
何故か兄貴分的な存在だったHyaku。

とにかく特攻が好きで
その分キツイ狩場で鍛えて
レベルの追いつけなかったHyaku。

様々な楽しい記憶を僕らに残して
彼はリネージュの世界から
一足先に卒業して行った。



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